
そもそも「相続は、いつ、どのように始まるのでしょうか?」
民法では「相続は、死亡によって開始する」と定められています。
つまり相続は、手続きや申請をして相続が開始されるのではなく、
「人が死亡した瞬間に、自動的に相続は開始される」のです。
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では「相続のゴールとは、一体どうなると相続は終了するのでしょうか?」
わかりやすく相続のスタートからゴールまでを解説していきます。

相続とは「亡くなった人の財産や権利義務を、相続人が受け継ぐこと」です。
亡くなった人のことを「被相続人」と呼び、
亡くなった人の財産を受け継ぐ人のことを「相続人」と呼びます。

相続の最初のステップは「相続する権利がある人を明確にすること」です。
なぜなら、相続の権利のない人が主張しても、主張されても困るからです。
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相続の権利は法律によって、相続人の範囲と順位が定められています。
従って、法律に基づき「相続人を明確にすること」から始めましょう。
(相続の権利については、後のレッスンで詳しく解説します。)

相続する人(相続人)が明確になったら、
次のステップは「亡くなった人の財産を分けること」です。
遺産を分けることを「遺産分割」と言います。
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遺産分割は、法律によって細かくルールが定められていますので、
まず「相続のルールを知ることから始めましょう」
なぜなら「ルールに違反する相続は認められない」からです。

遺産を分け合う前に、必ず「亡くなった人の遺言書を確認」して下さい。
遺言書があるかないかで、手順が大きく違います。
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遺言書がある場合は「遺言書に従って、相続します」
(遺言書については、他のレッスンで詳しく解説します)
遺言書がない場合は「相続同士で話し合って相続します」

遺言書が無ければ、「誰が」「何を」「どれだけ」相続するかを
相続人同士の話し合いによって決めていきます。
遺産の分け方について話し合うことを「遺産分割協議」と呼びます。
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遺産分割協議によって決まった遺産の配分を書類に残します。
この書類を「遺産分割協議書」と呼びます。
相続税の申告や、不動産の名義変更に必要となります。

<相続のルール>:「相続人全員が合意するまで終わらない」
遺産分割協議書を完成させるには相続人全員の合意が必要です。
つまり、遺産分割の話し合いは「多数決では成立しない」のです。
従って、相続人全員が合意するまで相続は終わらないのです。

最後のステップは「相続税の申告」です。
相続税の申告期限は、相続開始から10ヶ月です。
相続財産が少ない人には、相続税はかかりません。
(相続税の計算方法は、後のレッスンで解説します)
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相続税の申告を終えたら、預貯金の引き出しや
相続した不動産などの名義変更をすれば、相続はゴールとなります。

相続の「スタートからゴールまでの流れ」を紹介しました。
①人が亡くなると、相続は自動的にスタートします。
②相続する権利がある人を明確にします。
③遺言書があるのか、無いのかを確認します。
④遺言書が無ければ、相続人全員で遺産分割を話し合います。
⑤話し合った結果を、遺産分割協議書に記載します。
⑥受け取った財産に対して、相続税の申告と納税をします。
⑦相続した財産の名義変更をしてゴールです。

以上で「相続の学校」の最初のレッスンは終了です。
この教材は、相続の「知識」と「知恵」を伝授する入門教材です。
はじめての相続を、わかりやすくスライドと動画で解説します。
相続のポイントは「誰が、どんな財産を相続するか」の話し合いです。
でも「もし話し合いがまとまらないと、どうなるのでしょうか?」
次のレッスン「相続でモメると、どうなりますか?」で解説します。
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